
XREAL One Proをレビュー。2023年からXREAL Japanのアンバサダーを務めさせて頂いていて製品をご提供頂きました。
視野角がこれまでのXREALのARグラスで最大の57度。そして従来のBirdbath方式から独自のX Prismになって光学ユニットの出っ張りが小さく薄く、下部の映り込みがなくなり(従来のモデルには着用時に自分の服や腕周りなどが反射しての映り込みがありました)快適な使用感になりました。
今までのXREAL OneやXREAL Air と解像度は同じながら視野角が広がったことで、PPIは低くなるので体感として映像が荒く見えるようになるのか懸念がありましたが、そこに注目して気を傾けて見れば確かにそう感じないことはないものの、普通に使用する上ではまるで気にならない範囲。何より視野角の広さと下部の映り込みのなさがハッキリ感じられてただただとても良い使用感です。やっぱりARグラスにおいて画面の広さは正義だと感じられます。
とはいえXREAL Eyeと合わせて使用して、映像に近づくような使い方をするときには高解像度化を願わずにはいられないのはXREAL Oneの時点で感じていたので、XREAL One Proの確かな進化を実感すると同時に、その先も楽しみにせずにはいられません。
XREAL One / One Proでは単体で3DoFやワイドモード・サイドモードなどのモード切り替えや画面距離やサイズ調整、自動調光など機能が充実していますが、XREAL Eyeと合わせて使用することでさらに写真や動画撮影・6DoFモードが使えるようになります。6DoFでは仮想空間に固定した画面に近づいたり出来るので、画面に触れるくらい近づいたり、そのまま通り抜けたり裏に回ることも。より近くで画面が見れるものの当然近づけば近づくほど画質は荒くなるので、画質は良くなれば良くなる程嬉しいし、画面に近づけることの価値も上がるように思います。
小さな文字が読みやすいように顔を近づけるばかりでなく、映像を目の前で大きなサイズで楽しめます。近づき過ぎればもちろん視野角に画面が収まらないんですが、コンテンツによっては全体が視野角に収まることよりも視野角からはみ出た大きな映像を頭を動かして見ることが迫力や没入感があって楽しめたりします。
視野角が拡がっての使用感・レンズ周りの比較

まずはXREAL One ProとXREAL Oneの比較から。1番わかりやすいし期待してる人も多いアップデートは、視野角が50度から57度になった点。
実際の使用感としてもOneから一回り以上、二回りくらい大きく見えるようになった感があります。
輝度も500から700nitsになりましたが、そもそも僕自身は少し暗めで使用することの方が多いのであまり良くも悪くも実感はありません。
使用する前から視野角が拡がることには大きく期待がありつつ、一方で表示領域が広くなったのに解像度は変わってない点で「PPI (Pixels Per Inch / 1インチあたりのピクセル数 (画素密度)」が落ち荒く見えるのでは?という懸念もありました。
実際に使用してみて、そこに注目して見ているということもあって、わずかに感じるのだけど、不安視していた通りだというよりも、ほとんど変わらないな!という安心感と、ほとんど荒さも感じずこんなに大きく見えるのか!すごい!という感動の方が大きかったです。
よほど敏感に感じとれるのでなければデメリットに感じることはないように思います。
とはいえ、そもそもXREAL Eyeの登場で画面に近づいたりできるようになったことから、もっと高解像度になったらいいなとは思っていたので今後の高解像度化には非常に期待しています。
画面に触れるほど近くで動画を見たりも出来るので、そこまで近寄ったり大きくしたりするときにも鮮明なほど高解像度になるとまためちゃめちゃ体験は向上しそう。
そして視野角と並んで大きなアップデートとなったのが下からの映り込みのなさ。
光学ユニットがこれまでのXREAL Air シリーズやXREAL Oneで搭載されていたBirdbathタイプから、独自設計のX Prismになりました。

これによりグラスから出っ張っている光学ユニットはちいさく軽く、映像の表示は大きくなり、そして今まであった下部の反射による映り込みがほぼなくなりました。

フレームの上部の厚みも薄くなりました。


着用時に感じる普通のサングラスではない、内側に出っ張りがある違和感も軽減されていると思いますが、この点はとはいえ、普通のグラスと変わらなくなったというほどではありません。

ハーフミラーが小さくなって、映像が大きく見られるようになったことと下からの写り込みがほぼ無くなったのは最高ですが、細かいことを言うとハーフミラーの境目がわかるのと、そこで映像が少し重なるように見えるようになってます。
が、あくまで注意深く観察すると気になる程度です。普段から細かいところに目を向けるタイプの場合には気になるかもしれませんが、僕自身は実用上は気になりません。
XREAL One Pro / One / Air 2 Pro の違い

製品名 | XREAL One Pro | XREAL One | XREAL Air 2 Pro |
重さ | 約 87 g | 約 82 g | 約 75 g |
チップ | XREAL X1チップ | XREAL X1チップ | - |
光学設計 | X Prism | Birdbath | Birdbath |
FOV(視野角) | 57° | 50° | 46 ° |
ディスプレイ | SONY 次世代0.55インチ マイクロOLED | SONY 0.68インチ マイクロOLED | SONY 0.55インチ マイクロOLED |
エレクトロクロミック調光 | 3段階 | 3段階 | 3段階 |
解像度 | 400万ピクセル / 1080p | 400万ピクセル / 1080p | 400万ピクセル / 1080p |
最大リフレッシュレート | 120Hz | 120Hz | 120Hz |
最高輝度 | 700 nits | 600 nits | 500 nits |
IPD調整 | M / L 2種販売 | ソフト調整 | - |
音響 | Boseによるチューニング | Boseによるチューニング | 第2世代サウンドシステム |
価格 (税込) | 84,980円 | 69,980円 | 59,980円 |

XREAL Airシリーズは基本的には単体では接続したデバイスの映像をそのままミラーリングするのみ。3DoFや画面のサイズ・距離を変えたりといった機能はXREAL BeamやXREAL Beam Proといった別のデバイスやNebura ~などのアプリが必要でした。
XREAL One/One Proはグラス本体にX1チップを内臓し、単体でそれらの機能を使うことが出来るようになり、機能性が非常に高まりました。サングラス型ディスプレイからARグラスや空間ディスプレイといった言葉が相応しく感じるようになりました。
どれを買うべきかといえば、予算さえ許せば XREAL One Pro。One ProとOneは実際に使うまでは用途によってはOneの方が綺麗に見えるし良いということもあるのでは?と思っていましたが実際に使うとやっぱり視野角の広さと映り込みのなさが非常に良くOne Proをすすめます。
費用を抑えたいにしてもなんとか頑張れるならAir 2 Proよりも圧倒的にXREAL Oneをすすめます。それくらいAirシリーズからOneへのアップデートは大きかったです。
とはいえ、とにかく費用を抑えたくて、なおかつ用途が寝ながら動画を見たいだけとか機能をそれほど求めないならXREAL Airシリーズを選ぶのも良いと思います。どれも発売時より安くなってるし、セール時などを選べばより手頃に購入出来ます。
XREAL Air 2 Proは調光機能が付いていて、明るい環境で使いやすいのは非常に良いけど、暗い部屋で寝るときに使う前提などならAir 2やAirでより費用を抑えることも。僕自身初めて購入したのはXREAL Airで、当時はそれでも今はサングラス型のディスプレイがここまで実用出来るのかと驚いたものだったので、用途さえ合ってればちゃんと実用出来ます。
XREALはとても短いスパンでどんどん新製品を出しているので、買い時を探ってる人にはタイミングが難しいと思います。One Proが出た今こそ!とも思うけど来年にはまたProject Auraの発売予定がすでに発表されています。とはいえ、じゃあそれを待とうと思うと、その時にはまた新製品の話が出てるかもしれません。絶好のタイミングはベストな製品が出るタイミング以外に、欲しい気持ちが高まってる時とか使ってみたい用途がある時でもあると思います。その時点で無理なく購入できるモデルをその時に手にしておくのも良いんじゃないでしょうか。
XREAL Air 2 ・ Air 2 Pro レビュー。僕の使い方と使用感。Airとの比較。
XREAL One Pro

先にXREAL One Proの大きな特徴の部分やこれまでの機種との比較をしてみました。ここからはXREAL One Proの製品紹介。
パッケージの中にはXREAL One Pro本体の入ったハードケースと付属品の入った箱。
付属品

付属品の箱に入っていたのはこちら↑↓

XREAL Oneでは付属しなくなっていたインサートレンズ用のフレームが付属。ノーズパッドはS,M,Lの3サイズ。Mが本体装着済み。
JUN GINZAというオーダーメイドのメガネ専門店で度付きのレンズをつけてもらえます。Webでも注文できるし、来店出来る人はお店で直接話を聞くのも良さそう。僕自身はインサートレンズ不要で使えているので使用したことはありませんが、話を聞く限り、メガネなど使う人は圧倒的に使用感が良くなるようなので、面倒ではあるだろうなと思いますが、せっかくならしっかり作ってもらうのが良さそうです。

USB Type-C ケーブル。XREALの純正ケーブルはしなやかで軽くて使いやすい。サードパーティ製の長いケーブルや、他社のARグラスに付属したケーブルを使用したときに実感しました。
本体

XREAL One ProとXREAL Oneの外側のフレームは同じデザイン。元々ついてるフレームのカバーは光沢があって指紋などが気になりますが、

付け外しが出来ます。僕はもっぱらカバーを外して使用しています。カバーの下はマットな質感。3Dプリンターなどある人はオリジナルのフレームも作れるようです。


両方のツルの上面にマイク(小さい丸い穴の箇所)とスピーカー(マイクの下の細長い部分)を1つずつ、右側のツルにはXREAL Airシリーズには無いショートカットボタン。ワイドモードなど選択した機能を割り当てられます。XREAL Eye接続時は写真や動画撮影用のボタンにも。

スピーカーのサウンドはBOSEがチューニング。XREAL Oneも同じくBOSEのチューニングとなっていましたが、One Pro用にまた一段と向上しているようです。音はめっちゃ良く、それでいて周囲への音漏れもかなり少ない。少しの音漏れでも迷惑になるような状況ならイヤホンなど使うのが良いけど、多少人が居てもそこまで気を使う環境でもないならそのままでも使えると思います。
ツルの角度は3段階で調節できます。ノーズパッドと合わせてツルも調節できるので全然合わないということはなさそうです。

下側。X Prismになった光学ユニットが特徴的。XREAL AirシリーズにはないオレンジのXボタンを搭載。その下に細長い+ / -ボタン。底面にも左右に1つずつマイクとスピーカー。

↑オレンジのボタンはXボタン。
Xボタンでは
- 短押し「ブレ補正」「固定(3DoF / XREAL Eye使用時は6DoF)」「サイドビュー」の3モードを切り替え
- 2度押し押しで設定メニュー
- 長押しで3DoF時に画面を正面に移動
といった操作が出来て、
その下の細長い + / -ボタンは明るさ調整と調光モードの切り替え(3段階)が出来て、明るさと調光どちらを操作するかを長押しで切り替えられます。
設定画面は、表示・オーディオ・ショートカット・その他と4つのカテゴリーに分かれていて、Xボタンとその下の長いボタン「+ / -ボタン」だけで設定出来ます。


ツルの端に付属のケーブルを接続して使用します。
XREAL Eyeと合わせての使用感

↑カバーを外すとXREAL Eye接続用のポート。XREAL Eyeは写真や動画撮影が可能になるほか、仮想スクリーンの位置を空間に固定する6DoFモードが使用できるように。

必須かといえば必須ではないけど、とてもおすすめ。XREAL OneやOne Proを買うなら買わないと勿体無いくらいに思います。
写真・動画撮影は主観撮影が気軽に出来るというのは良いけど、とはいえまだ常に着けてるというほどではないので、必要な時に出来る手段があるのは嬉しいというくらい。

作業用途で使う時には画面に顔を近づけられるということが、細かい文字を見る時には役立ちます。
XREAL Eyeの有無は一旦置いておいてそもそもの作業用途にどの程度使えるのか半信半疑の人も多いと思います。どのような作業をするのかやどの程度の使用感を求めるのかにもよると思いますが、マジで普通に使えます。
家や仕事場にはリアルな外部モニター環境があるので、作業用途で普段使いはしていませんが、XREAL OneやOne Proは普通に作業用途でも普段使いしても良いなと感じるレベルになっています。
そして出先での作業用途には最高。外部モニターを持ち歩かずにより広い作業環境がつくれるのと、ノートPCの画面を見るよりも視線を落とさずに作業できるので姿勢的にもすごく楽。この用途では2023年に購入したXREAL Air(当時はNREAL Air)時代から実用しています。

そして、Eyeの話に戻ると、上記のような用途も嬉しいんだけど、僕的には動画視聴時に好みの位置やサイズで仮想スクリーンを配置できたり、そのスクリーンに近づけたりすることに何より魅力を感じています。
XREAL Eyeなしの場合、仮想スクリーンの方向や距離とスクリーンサイズは調節できますが、高さは常にグラスの目線の高さ。近づいたり遠ざかったりということは出来ません。XREAL Eyeがあると仮想スクリーン位置を空間に固定出来るのでちょうど目線の高さにしたり、床置きするような高さや、天井に固定したり、さらに置いてあるスクリーンに触れるほど近づいたり、そのまま通り抜けたりも。本当にここにスクリーンがあるんだという感覚が非常に高まります。
イメージ的にはプロジェクター。プロジェクターは壁や設置したスクリーンに投影しますが、それが空間の何もないところを指定して投影できるような。
動画を見る上では、あんまり近寄りすぎると画面全体が視野角に収まらないので、結局全体が視野角に収まるくらいのサイズで見たいなら3DoFやブレ補正でも良いのでは?と思ったのですが、実際に使ってみると必ずしも全体が常に視野角に収まっていることよりも、全体が見えていなくても大きな映像を自由に動いて見られることの方が没入感や迫力があったりすることがわかりました。あるいは推しだけを大きく見たいといった用途もあると思います。もちろんコンテンツの種類によってはこれは大きさよりも全体を見やすいくらいのサイズの方が良いということもあります。
コンテンツや用途、その時の気分なんかでも色々な楽しみ方ができて、XREAL OneやOne Proの活用の幅が広がるので強くおすすめ。
XREAL One Pro + XREAL Eyeでの動画視聴をショート動画で。
実際にiPhoneのYouTubeを再生している様子を撮影してみました。
寝ながら動画を見たりするのにもARグラスは便利ですが、暗い中だとXREAL Eyeの位置認識がうまくいかないのと、寝ながら見る時には目の前に画面がついて来る方が見やすいかと思うので、その用途一択ならXREAL Airシリーズでも良いと思います。
MacBookと繋いでウルトラワイドモニター環境をショート動画で。
MacBookの外部モニターとしての使用の様子も撮影してみました。こちらは32:9のウルトラワイドのモード。21:9のモードもあります。画面の設置距離やサイズの調節もできるし、Eyeがあれば位置も自由が利きます。
XREAL One Pro はこんな人におすすめ

XREAL One Pro をレビューしました。
これまでで最大となる57度の視野角を実現。やっぱり画面の大きさが素晴らしい。懸念していた視野角が拡がるのに解像度は変わらないことからの映像の荒さはほとんど感じず、大画面の満足度の高さを実感しています。
そして下部からの映り込みがほぼ解消。決して以前の映り込みがすごく気になっていたわけではないんだけど、いざなくなってみるととてもクリアで快適。
手にするまでは用途によってはあえてXREAL Oneということもあるかと思いましたが、実際に使用して予算を度外視するならXREAL One Proを選ぷべきだと感じます。一方で価格差は確かにあるので、そこを踏まえた時にXREAL Oneを選ぶのは全然アリ。逆に、なんとか頑張れるならAirシリーズよりはOne/One Proを強く勧めます。
とにかくXREAL One・One Proの登場で贔屓目なしに現状はXREAL一択と言えるくらいだと感じています。そしてすでに来年にはProject Auraの話もあって、今とても熱い分野。新製品が出てからにしようかと買い時を探ってるとどんどん新しい話が出てきて、いつまでも手に出来ないということにもなりそうなので、こんなふうに使いたいというのがあるなら思い切って購入してみてがっかりしない使用感だと思います。
体験出来るお店やイベントもちょこちょこあるので是非!
XREAL Eyeは現在Amazonでは販売がなく、公式サイトや量販店でも予約注文となっている場合が多そうです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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